よみ そんがいばいしょうがくのよてい
✋ 前もって、損害が生じた時に払うお金の額(=損害賠償額)を決めておくことだよ
✋ 絶対に決めておかなくてはいけない、ということじゃないよ
✋ メリットもあるけど、デメリットもあるよ
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「損害賠償額の予定」をざっくり言うと、、、
損害賠償額の予定とは
前もって、損害が生じた時に払うお金の額(=損害賠償額)を決めておいてもいいよ
という
民法の規定
です。
「損害賠償額の予定」を詳しく説明すると、、、
前提知識から順を追って説明します。
まず損害とは、『他人を傷つけること』『他人の利益を失わせること・不利益を与えること』をいいます。
次に賠償とは、『他人に与えた不利益や損害をつぐなうこと』『不利益や損害に見合うお金等を差し出し、埋め合わせをすること』をいいます。ちなみに賠償という言葉の、賠と償という漢字は、『賠う』『償う』と書いて『つぐなう』とも読まれます。
よって、損害賠償とは『他人を傷つけたり・利益を失わせるようなことをした場合に、お金等を差し出して、埋め合わせをする・つぐなうこと』をいいます。

そしてこの損害賠償は、原則的に“お金の支払い”で行うことになっています(※民法の第417条)。具体的には『発生した損害・不利益は、お金にするといくらくらいなのか?』というのを計算してその額を相手に支払う、というやり方です。
しかしこのやり方では、いちいち損害をお金に換算しなくてはいけないのでメンドクサいです。それに、いざそのような場面になったら、損害額をいくらにするのか?という点について、損害賠償を請求する側とされる側で揉めそうですよね。
なので民法では『前もって、損害が生じた時に払うお金の額(=損害賠償額)を決めておいてもいいよ~』としています。これを“損害賠償額の予定”といいます。

当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。
民法第420条 賠償額の予定
但し、あくまでも『予定することができる』と言ってますので、決めておくかどうかは当事者の自由です。
ちなみにこの損害賠償額の予定。便利なように見えますが、デメリットもあります。
それは、一度損害賠償額を予定したら、実際に生じた損害額がそれより大きかったり・小さかったりしても、あらかじめ予定した損害賠償額を支払わなくてはならない、ということです。つまり、予定した金額次第では不利益になる場合もある、ということになります。