
宅建の合格点・合格率を知りたい方へ。
「合格点・合格率ってどれくらいなんだろう?」
「どんな傾向があるの?」
本記事では、宅建試験の合格点・合格率を徹底分析し、そしてそこから読み取れる試験の傾向や対策について解説します。
✋合格点・合格率の10年間推移
✋合格率にはどんな差があるのか?
✋相対評価の試験で大切なこと
宅建の合格点・合格率は?
宅建の過去10年間の合格点平均は34点。合格率は15~17%です。
ただし、宅建試験は相対評価で合否が決定される試験ですので、特に合格率を意識して、試験を分析し対策を打つことが大切になります。

合格点・合格率の10年間推移
過去10年間の合格点
年 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
合格点 | 36 | 36 | 33 | 33 | 32 | 31 | 35 | 35 | 37 | 35 |
過去10年間の合格点推移は上記の通りです。宅建の合格点は一定ではなく、年度によって大きく差が出ます。例えば、直近10年間では、もっとも低い場合には31点、もっとも高い場合には37点と、幅があることが分かります。
過去10年間の合格率
年 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
合格率 (%) | 15.2 | 16.1 | 16.7 | 15.3 | 17.5 | 15.4 | 15.4 | 15.6 | 15.6 | 17.0 |
過去10年間の合格率推移は上記のとおりです。年度によって差はありますが、おおよそ15~17%の間に設定され、合格点ほど大きな数値の開きはありません。
宅建の合格点は試験実施後に決まる。つまり、相対評価で合否が決まる。
宅建試験の合格点は試験実施前には公表されません。実施後の公表です。
これは毎年の合格点が、実際の試験結果・得点分布が分かった後に、試験委員によって事後調整されているためです。
過去の試験結果から読み解くと、毎年の合格点は、受験生全体の合格率が上位16%前後になるように調整されています。
つまり宅建は、絶対評価(〇〇点を取ったら合格)の試験ではなく、相対評価(上位〇〇%に入ったら合格)の試験ということです。
実際に、2015年と2018年の合格率は15.4%(2015)・15.6%(2018)と近似していますが、合格点は31点(2015)・37点(2018)と6点もの差があります。
これは、どうしても年度ごとに難易度の差が生まれてしまうこと、絶対評価によってあらかじめ合格点を確定してしまうと、受けた年度によってハンデが生まれてしまうこと、また毎年一定数の合格者を出す必要があることから、このような試験体系をとっていることが推測されます。
合格率にはどんな差はあるのか?
男女別合格率
例年、男性よりも女性の合格率が高くなっています。
不動産業界の雇用割合は男性が約6割で、もともと女性が少ない業界です。もしかすると、宅建を受験するような女性は自己成長意識が、一段と高いのかもしれません。
性 別 | 男 | 女 |
合格率(%) | 16.3 | 18.5 |
受験区別合格率
登録講習修了者とは、宅建試験50問のうち一部の問題(5問分)が試験範囲から免除される人で、一般受験者よりも5点分のアドバンテージを持っている受験者です。当然、一般受験者と比べても高い合格率になっています。
受験区分 | 一般受験者 | 登録講習修了者 |
合格率(%) | 15.2 | 22.9 |
職業別合格率
職業別の合格率は、主婦の21.3%が最も高いです。次いで、その他の18.7%、学生18.3%、不動産業17.8%という順になっています。
主婦の合格率は9年連続で1位です。
宅建合格には職業は関係ないことが分かります。
職 業 | 不動産業 | 金融業 | 建設業 | 他業種 | 学 生 | 主 婦 | その他 |
合格率(%) | 17.8 | 16.5 | 12.2 | 17.2 | 18.3 | 21.3 | 18.7 |
受付別合格率
宅建の申し込みを「郵送」で行ったか、「インターネット」で行ったかの違いによる合格率の差です。
インターネットで受験申込をおこなった受験生は、例年、郵送でおこなった受験生より5ポイント程度合格率が高くなっています。
なぜ、このような差が生まれるのかは定かではありませんが、コンピュータリテラシーが高い分、PC・スマホ・ITを使った試験の情報収集能力や勉強法に差が生じているのかもしれません。
実際に今では勉強・独学を力強くサポートしてくれる、さまざまなSNSサービスやアプリがあります。活用しないのは損です。
受付区分 | 郵 送 | インターネット |
合格率(%) | 15.3 | 21.1 |
相対評価の試験で大切なこと
宅建は相対評価で試験の合否が決まります。
つまり、受験生全員の得点分布と、それに対する自分の相対的な位置(順位)で決まるということです。
宅建は他の受験者との競争試験ということになります。

問題の難易度によって、あなたの合格可能性に影響は少ない
宅建が相対試験であるということは、試験問題の難易度が、あなたの合格可能性に大きく影響することはありません。
なぜなら、難しい問題が出題されれば、あなた以外の受験生も、当然に不正解の数が多くなり、
一方で、やさしい問題が出題されれば、あなた以外の受験生も、当然に正解の数が多くなるからです。
大事なのは、どうやって上位約15%に食い込むか?です。
本番で「難しい!」と感じても動じない
よって、試験を受けながら問題の難しさに青ざめても、決して悲観してはいけません。あなたが「今年は難しい!」と感じたら、ほかの人もそう思っています。
なんとかして、他の受験生より1点でも多く得点することに専念するのです。幸いなことに、宅建は四肢択一による試験です。持てる知識のすべてを活用し、消去法で選択肢を絞り込み、正答する確率をとにかく高めることが大切です。
難しい問題を諦め、適当に回答するなんてことは、絶対にしないでください。

「楽勝~!」という時こそ、ケアレスが命とり
逆に、スイスイ問題を解けても「簡単じゃん!」と余裕をこくのは言語道断です。ほかの受験生の多くも「今年は簡単だから楽勝~!」と感じている可能性があります。
そのような年は、とにかくケアレスミスが命とりになります。他の受験生の多くが解ける問題は絶対に落とさないことが大切です。
過去問に取り組むのが手っ取り早い
令和元年度(2019年)の試験結果を分析すると、正答率50%以上の問題をすべて正解できれば、合格点に到達できるような問題構成になっています。
つまり宅建試験は、誰も解けないような難問を解けずとも、周りの人が解ける問題をしっかりと得点さえできれば合格できる、ということです。
ちなみに、おおくの受験生は過去問をベースとした学習を進めます。
したがって、問題毎の正答率分布は、自然と
- 過去に出題された問題と傾向が似ている問題:正答率が高い
- 過去に出題されたことが無いような問題:正答率が低い
という傾向になります。過去問を用いて頻出論点を確実に正解することが、合格線上に残るための必須条件です。