宅建に合格した後の資格の使いみち・できることを知りたい方へ。
「宅建に合格すると、なにができるようになるの?」
「宅建士の人は、どんな風に活躍しているの?」
本記事では、業界歴10年の現役宅建士が、自身の実体験に基づいて、宅建合格によってできることを解説します。
宅建士になると、できることって?
宅建士ができること(任務)は3つあります。
そして、その3つの任務を通して、5つの専門能力を高めることが出来ます。
宅建士に与えられた役割は社会的に重要で、且つ、責任も大きいものです。よって、その業務を通して得られるノウハウや能力も極めて専門性が高いものです。
この記事では業界歴10年の実体験に基づいた「宅建士になるとできること・使い道」について詳しく解説します。
宅建士は社会の発展に欠かせない?
宅建士の仕事場である不動産分野は、社会と密接なかかわりがあります。
例えば、人は生活の基盤として住まいを持ち、そのために住宅を買ったり・借りたりしています。また、事業をおこなう会社や個人事業主も、営業や事務を行う拠点として店舗や事務所を購入したり買ったりしています。
このような意味で、不動産の取引を円滑に行うことは、社会や経済が健全に発展していく為にとても大切なことです。
とはいえ、取引の当事者が一般の人であれば、不動産取引には不慣れであることが普通です。また同時に、不動産の取引ではおおきなお金が動きますので、現実問題としてトラブルが発生しやすく、それがおおきな経済的な損失に繋がることも少なくありません。
そこで大切な役割を担うのが宅建士です。
宅建士はその高度な知識や経験を活かして、
●消費者が不動産取引で困ることが無いようにしてほしい
●すべての人に公正公平にアドバイスしてほしい
●みんなが気持ちよく取引をできるようにしてほしい
以上のような役割を、社会から求められています。
取引を安全に執り行い、しいては、社会・経済の発展に貢献できる役割を担っているのが宅建士ということです。つまり、宅建士は社会的にも非常に重要な役割を担っており、おおきな責任が求められる資格ということでもあります。
宅建士が社会から与えられた任務(できること)は3つ
前述のように社会から重要な役割を任せられている宅建士ですが、具体的に宅建士の社会的任務(できること)は3つあります。
①重要事項の説明
②重要事項説明書への記名押印
③契約書への記名
重要事項説明とは、不動産取引に関わる宅建業者が、購入者等に対し、事前に取引物件や取引条件等について説明をおこなうことです。
重要事項説明は、不動産取引によるトラブルや紛争を防ぎ、安全な取引をおこなうことが目的です。
重要事項説明で説明する事項は、おおきく
① 物的調査 ② 法令上の規制 ③ 権利関係
の3つに分類されます。
これらの内容を細かく見ていくと、その範囲はとても広く膨大な量になります。とても素人が一目見ただけで理解できる内容ではありません。
だからこそ、その内容を正確に分かりやすく説明しようとすると、不動産に関する相当の知識が必要になります。それゆえ、重要事項説明は宅建に合格した宅建士でなければ行ってはならない(=宅建士のみができること)と法律で決められています。
また重要事項説明書と契約書への記名押印は、不動産取引に関与した宅建士の責任の所在を明確することを目的にしています。
「高度な知識を持った不動産取引の専門家なんだから、重要事項説明と契約書の内容には責任をもってよね・・・」ということです。
つまり、宅建士の任務(できること)は、おおきな責任をも伴う行為でもあるということです。
宅建士になると身につく5つの高度な能力
「責任を担う」というと重たく感じるかもしれませんが、だからこそ、宅建士の仕事を通して得られる知識とノウハウは、他には代えがたいものがあります。
宅建士の仕事を通して得られるノウハウや能力を5つにまとめました。
不動産の品質判断のため、正確な情報を集め・調べることができる能力
不動産の正確な品質判断には的確な情報収集が不可欠です。そのために、どんな情報を?どこから集めればいいのか?なにを調べればよいのか?その情報収集能力が身につきます。
集めた情報を読み解き、リスクを発見・予見できる能力
集めた情報はただそれだけでは何も意味を持ちません。集めた情報をどう読み解き、どのような意味を持たせるかが大事です。宅建士は集められた情報を精査し、読み解くことによって、物件特有のリスクを発見・予見することが出来ます。
リスクを踏まえて品質を見定め、目利き・評価できる能力
予見されるリスクを踏まえたうえで、宅建士は最終的な不動産の品質を総合的に見極め評価することが出来ます。この能力も、多くの不動産を実際に見て、調べた結果養われていくものです。
見極めた品質や情報を活用した、カウンセリング能力、リスク回避能力、利益を守る・クライアントを助ける能力・問題を解決する能力
品質を見極めた不動産が、果たして相談者にとって有益なものであるか?有益にするためにはどうすればいいのか?リスクを回避し、相談者の利益を守り、問題を解決することができるようになります。
重要事項や契約条件を要約し、正確に表現し・説明できる能力
重要事項説明として伝えるべき内容は、最終的に文章として表現し、契約当事者に対して、正確に伝える必要があります。いつ・誰が読んでも、文章の解釈に齟齬が生まれないようにしなくてはなりません。その為に、必要な情報をまとめ、表現し、伝える能力を身につけることができます。
いかがでしょうか。
宅建士の扱う仕事は金額も大きく、人ひとりの人生を大きく変えてしまうようなものでもあります。ちなみに米国では、不動産エージェントは医者・弁護士と並ぶ三大士業と呼ばれ、高い社会的地位と責任が求められている職業です。
宅建士を突き詰めていった先では、高度な専門能力を得ることができる、ということです。