よみ しょゆうけんりゅうほのきんし
✋ “売主が宅建業者・買主が宅建業者以外の不動産売買取引”の時にだけ適用されるルールだよ
✋ 割賦販売をする際には、売主である宅建業者は所有権留保をしちゃダメ!というルールだよ
✋ ただし、所有権留保をしてもいい例外ケースもあるよ
「所有権留保の禁止」をざっくり言うと、、、
所有権留保の禁止とは
“売主が宅建業者・買主が宅建業者以外”の“不動産売買取引”にだけ適用されるルール
で、具体的には、、、
割賦販売をする際には、売主である宅建業者は所有権留保をしちゃダメ!というルール
です。
「所有権留保の禁止」を詳しく説明すると、、、
今回のテーマである“所有権留保の禁止”は、不動産を割賦販売する時に適用されるルールです。
前提知識から順を追って説明します。
まず割賦販売とは、商品代金を分割払いで販売する方法のことです。

不動産を割賦販売で販売する場合、もともとの不動産の価格が高額であることが多いため、どうしても分割払いの期間が長期間になりがちです。
そうすると売主としては、、、
『支払を滞ることなく、全部支払ってくれるだろうか・・・』
と不安になってきます。
その不安を解消する方法のひとつが”所有権の留保“と呼ばれる方法です。
所有権の留保とは、物の売り買いをする時に、買主が代金を全て払い終えるまでは、商品の所有権を買主には渡さず、売主に留めておくことをいいます。
つまり、不動産で割賦販売をする場合には、分割払いがスタートしたタイミングで買主に不動産を引渡してしまいますが、所有権は売主のままに残しておくということです。

この“所有権の留保”という手段は、前述した通り 『ちゃんと料金を払ってくれるかな・・』という売主の不安・懸念を解消するために使われる手段ですが、実はこの『ちゃんと料金を払ってくれるかな・・』という売主の不安・懸念を払拭する方法は、所有権の留保の他にもあります!
それは例えば、、、
●代金の支払いについて、保証人を設定してもらう
●所有権を買主に移転して、抵当権を設定してもらう
というような手段です。
このように、売主の不安・懸念を解消する他の選択肢があるのであれば、
支払期間が長くなる不動産の割賦販売において、支払いが終わるまで所有権を留保するのは、買主にとってあまりにも酷だろう!
特に宅建業者が売主の場合には、会社倒産という危険性もあるから、買主にとっても危ないよね!
という考えのもと、宅地建物取引業法では、
“売主が宅建業者・買主が宅建業者以外”の“売買取引” に限って、所有権の留保はしてはいけない!
というルールが定められています。
これが“所有権留保の禁止”です。

とはいえ、どんな場合でも所有権の留保はしちゃだめ!というのも、逆に売主側が不利になり過ぎるということで、例外ケースとして
①売主である宅建業者が受領したお金が、売買代金の3割以下であるとき
もしくは
②売買代金の3割以上を受領しても、残りの代金について、買主が抵当権設定や保証人を立てる見込みがない時
については、所有権の留保をしていいよ!
というルールになっています。