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関連しそうな用語たち:都市計画 都市計画法 地域地区 用途地域 |
ざっくり言うと、、、
第一種住居地域とは
都市計画のひとつで、
どちらかというと住宅地のための地域ですが、
床面積3000㎡以下の大規模な店舗・事務所も建ててOKだよ~という地域
です。
詳しく説明すると、、、
第一種住居地域とは、都市計画法で定められる都市計画のひとつです。
細かい分類でいうと、都市計画法で定められる都市計画のなかでも、“地域地区”のひとつである“用途地域”に分類される都市計画になります。
前提知識から順を追って説明します。
まず都市計画というのは、「都市づくりの計画」と「その計画を実現するためのルール・規制」のことです。 なぜ「都市づくりの計画」や「ルール・規制」が必要か?というと、“みんなの自由気まま・好き勝手に街・建物がつくられちゃうと、まとまりがない都市になり、結果、みんなが住みづらくなって困るから“です。
ちなみに都市計画は、都市計画法という法律に基づいて、国や都道府県・市町村が決めます。そして、そこに住む人はもちろん、土地を利用する人、建物を建てようとする人は、この都市計画(=ルール)に従わないとだめ!という決まり(法律)になってます。
そして、都市計画法によって決められる都市計画には、たくさんの種類がありますが、そのひとつに、“地域地区”と呼ばれる都市計画があります。
地域地区とは「ここは住宅地にしたいな~。こっちは商店街にしたいな~。というように、街の将来像や利用目的にしたがって各地域を区分・分類し、その区分・分類された地域ごとに、土地利用のルールや建築のルールを細かく決めていく」そんな都市計画(=ルール・規制)です。
この地域地区は全部で21種類あり、そのなかのひとつに、更に“用途地域”と呼ばれる都市計画があります。
用途地域とは、その言葉のとおり、土地の使いみち(=用途)ごとに分類・区分され、土地の使いみち(=用途)に関する規制・ルールが決められている都市計画です 。
そして、今回のテーマである第一種住居地域はこの用途地域のひとつです。
では第一種住居地域が「どのような使いみちで分類・区分」され、「どのような規制・ルールが設けられているか」というと・・・
まず、第一種住居地域というぐらいなので「住宅地のための地域なんだな~」と思ってもらってOKです。
ここで注目すべきは、第一種住居地域では「第~~種低層住居専用地域」「 第~~種中高層住居専用地域」で使われていた、“専用~~”という表現が使われていないことです。これは“専用~~”という表現を外すことによって、“専用~~”という表現が使われている「第●●種低層住居専用地域」や「 第●●種中高層住居専用地域」と比べて、規制がゆるいよ~、というニュアンスを伝えようとしていることが考えられます。
つまり、”第一種住居地域は住宅地のための地域だよ“とはいいつつ、「第●●種低層住居専用地域」「 第●●種中高層住居専用地域」より更に規制がゆるい地域であり、大規模な店舗や事務所はもちろん、その他にも建築できる建物が増えているよ~、ということです。
建築できる建物がどれくらい増えたかというと、具体的には、、、
●店舗や事務所は、なんと3,000㎡以下まで建築OKです。
●3000㎡以下であれば、ホテルや旅館、ボーリング場、スケート場、水泳場、ゴルフ練習場、自動車教習所なんかもOKです。
●そのほか、50㎡以下の工場なんかも建てられます。
それから、一般的に用途地域では、低層〇〇専用地域⇒中高層〇〇専用地域⇒住居専用地域・・・という順で規制がゆる~くなっていきます。
なので、第一種住居地域では、それより規制が厳しい第一種・第二種低層住居専用地域と第一種・第二種中高層住居専用地域で建築可能な建物は、基本的に建てることができます。
第一種住居地域は、都市計画法において次のような説明をされています
第一種住居地域は、住居の環境を保護するため定める地域とする。
都市計画法 第9条 より
わかりにくい説明ですが、これをざっくり訳すと、
「第一種住居地域は、住まいの環境を守るためにルール・規制を設けた地域だよ~」
ということです。
ここで注目すべきは、第一種・第二種低層住居専用地域や 第一種・第二種 中高層住居専用地域では使われていた「“良好な“住居の環境」という表現が、「住居の環境」という表現に変わり、“良好な”というキーワードが抜けていることです。
これも『第一種住居地域は住宅地のための地域ではあるんだけど、、、第一種・第二種低層住居専用地域や 第一種・第二種 中高層住居専用地域よりも規制はゆるくなってるよ』というニュアンスを伝えたいものと推察されます(初心者にはちょっと分かりにくいな~とは思います笑)。
実際に第一種住居地域の街並みはこんな感じです。街並みの様子を感じてみてください。
※下記ストリートビューは「神奈川県川崎市中原区田尻町67付近」ですが、当該場所について特定の意図・意味はありません。
まだまだ住宅がメインですが、大型の店舗が建てられる立地でもあるので、街がにぎやかに感じられます。