よみ てつけきんとうのほぜん
「手付金等の保全」をざっくり言うと、、、
手付金等の保全とは
“売主が宅建業者・買主が宅建業者以外”の“不動産売買取引”にだけ適用されるルール
で、
具体的には、
売主(宅建業者)は、受け取った手付金等を買主にしっかり返せるような保全をしておかないと、手付金等は受け取っちゃダメ!!
というルールです。
「手付金等の保全」を詳しく説明すると、、、
前提知識から順を追って説明します。
まず手付金等の保全の“手付金等”には、手付金のほか、物件の引渡し前に買主が支払うその他のお金(内金・中間金 等)も含まれます。
そもそも手付金とは、不動産売買の契約をした時に、買主から売主に支払われるお金のことをいいます。
また中間金とは、不動産売買の契約締結から代金支払い・引渡しまでの間に、買主から売主に支払われるお金のことをいいます。
今回のテーマである“手付金等の保全”とは、その名の通り、
手付金等を受け取った売主は、万が一の時にその手付金等を買主に返せるように、ちゃんと保管・管理しておいてよね~
という主旨です。
これは“売主が宅建業者・買主が宅建業者以外”の“売買取引”にだけ適用されるルールです。
そもそも、自らが売主となる宅建業者は、
●自社で不動産を仕入れる
●自社で建物を建築・リフォームする
というような事業をおこなっていることが多いです。そうすると、買主から受け取った手付金・中間金をそれらの事業の元手として使い、上手くいかなかったらそのまま倒産してしまう・・・
ということにもなりかねません。
そこで、買手を守るため、宅地建物取引業法では “売主が宅建業者・買主が宅建業者以外”の“売買取引” では、
売主(宅建業者)は、受け取った手付金等を買主にしっかり返せるような保全をしておかないと、手付金等は受け取っちゃダメ!!
というルールが作られました。
これが手付金等の保全です。
ちなみに『不動産の売買取引をする場合で、売主が宅建業者・買主が宅建業者以外、の時だけに適用されるルール(制限)』のことを『自ら売主制限』と呼びます。そして、このルールは合計で8種類あるので、別名『8種制限』とも呼ばれます。
今回のテーマである“手付金等の保全”はそのひとつです。
手付金等の保全が必要になる条件
①売主が宅建業者・買主が宅建業者以外の売買取引であること
手付金等の保全が必要になるのは“売主が宅建業者・買主が宅建業者以外”の“売買取引” だけです。売主が宅建業者であっても、買主も同様に宅建業者であれば、この保全をする必要はありません。
②受け取る手付金等の合計額が一定額を超えること
どんな額でも保全が必要ということではありません。ある一定額以上の手付金等を受け取る時にだけ保全が必要になります。
●完成物件の場合で・・・
手付金等の合計額が「売買代金の10%超」もしくは「1000万円超」である時
●未完成物件の場合で・・・
手付金等の合計額が「売買代金の5%超」もしくは「1000万円超」である時
保全のやり方
手付金等の保全のやり方にもいくつかの方法があります。
①銀行等による保全
万が一に備えて、銀行が宅建業者の連帯保証人になってくれます。契約後、宅建業者が手付金等を返すことが出来なくなった場合、銀行が代わりに手付金等を返してくれます。
②保険会社による保全
万が一に備えて、保険会社が”保険”という形で手付金等を買主に返すことを約束してくれます。契約後、宅建業者が手付金等を返すことが出来なくなった場合、買主は保険会社に支払いを求めることが出来ます。
③指定保管機関による保全
万が一に備えて、 指定保管機関等(宅地建物取引業保証協会等)が、売主が買主から受け取った手付金等を預かります。